日々是好日

そのさびをつれづれなるままに

親族名簿とバリケード

葬儀では親族が一人ずつ呼ばれて玉串を捧げることになるが、それがそのまま席順になる。納棺の時は名前の読み上げもないし、エイコさんの兄弟姉妹はまだ来ていなかった。

通夜が始まる少し前から、遺族控室にエイコさんの兄や姉らしき年寄り軍団が集まり始めた。ユウコとヨウコが出迎えている。彼等は車で二時間程のところにある故郷に住んでいるらしい。

私は初対面となる軍団の輪に「遠いところお疲れ様です」と声を掛けつつ、ユウコに親族名簿になる紙を渡して、名前を書いておいて欲しいとお願いした。席順や宿泊者の把握も兼ねているし、そもそも誰が誰だか家族構成がさっぱり分からない。て言うかオマエら、故人と最も近しい旦那や義妹達にお悔やみくらい言いに来いよ……

 

エイコさん側の親族名簿は、通夜が始まる頃になっても空欄で放置されていた。「喪主の後は順次玉串を捧げて下さい、でいいんじゃないの。そんなものよ」とエイコさんは言う。私達子供世代は経験が乏しいので、これで問題ないのかも分からない。ただ、喪主のアンタは名前を呼んで貰えるからいいけど、故人の実子達に対してはそれでいいのか? 私はその立場ではないが、蔑ろにされているような気がして不快に思った。玉串を捧げる場面では、次の順番を各自が見回して確認する羽目になり、雰囲気がぐだぐだにもなってしまった。

恐らく名簿を作って読み上げると、実子の旦那や義妹達、その次に義父の姉妹達を挟み、ユウコとヨウコはその後にせざるを得ないので、「子供は五人」という前提が崩れるのを嫌がったのだろう。席順は守り、後ろの方に大人しく座っていたが。

しかし、一般参列者は20人居たかどうかで、エイコさん達が子有りの再婚同士だとほぼ全員(近所の人レベルでも)が承知しているのだから、体裁を繕う意味もないであろうに。

 

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その後の通夜振る舞いの席。義父側とエイコさん側親族で、テーブル毎に自然と分かれて座ることになった。そして気付けば、二間続きの控室の襖がきっちり閉められ、エイコさんの親族は奥側の部屋にさっさと引き上げていた。何と言うか、凄い。呆れるより、笑う。この人達、義父側親族と喋る気が全く無いwww

まるで、我らが末っ子エイコチャンを敵から守るぞ、という図。ああ……病院からの電話を無視して自分の殻に閉じ籠ったり、支部長に失礼な態度を取ったり、何処かお姫様体質なのは、エイコさんが歳の離れた末っ子だからかも。

そりゃあ私達もエイコさんも互いに思うところはたくさんあるが、表面上は穏やかに付き合っている筈なのに。エイコさんは自分の親族に、私達のことをどう話しているのやら。