日々是好日

そのさびをつれづれなるままに

年齢差婚とバツイチ婚

実娘ユウコの結婚について、エイコさんが気に入らない点は、相手の婚姻暦と年齢差だけではなかった。その後、私もユウコ夫婦に会う機会があったのだが、確かに何だかなー……という感じで。

 

義父の見舞いで居合わせた時、義父は少し疲れ気味だった。
「今日は特別に寒いから、調子も悪くなりますよね。もう休んで下さい。私達は帰るから」
と私が旦那と去ろうとしたら、ユウコ夫が、
「猫もストーブの前で丸くなってるかな」
と、ぼそっと吐いた。いや……ユウコ夫妻が飼っている猫の話であると、数秒後には理解出来たよ。彼は自宅にいる猫のことを心配しているのだと。でも、見舞いを切り上げるタイミングをせっかく上手く計ったのに! 何となく流れで猫のことに触れる形となり、病室から出るのが少なくとも数分遅くなった。

 

別の日は、旦那が義父の身体を揉んでいるのを見て、これまた独り言のようにぼそっと呟く。
「時々神経が病むんだよね」
自分の腕や肩をさすりながら言うあたり、ユウコ夫も身体に不具合があるらしい。
「事故は怖いよ」
前回初めて会った時は聞いていなかったので、驚いて問い返した。
「交通事故にでも遭ったんですか」
「交差点で信号待ちをしていた時、後ろからぶつけられてね」(そして暫く事故の瞬間を語る)
「貰い事故は防ぎようがないから怖いし、腹が立ちますね」
「お陰で一年も仕事出来なかったよ」
ちょっと待て。まるで最近の出来事であるような話ぶりだったが。
「あの、事故に遭ったのっていつなんですか」
「三年前かな……。働けなかったんで、女房(前妻)にも逃げられて……」

ここは病室。義父は耳が遠く、旦那は義父に一生懸命離し掛けていて、この会話には参加していない。エイコさんは彼を嫌って席を外し、ユウコもエイコさんを追って一服するからと不在にしている。彼の身上話をまともに聴いていたのは、エイコさんのもう一人の実娘ヨウコと私だけ。ヨウコも困り顔。

 

しかしまあ……何なんだ、このしょぼくれKYオヤジは。見てくれは貫禄もあり、挨拶程度ならば立派な紳士との印象を受けるが、実際の中身はあまりにも頼りなく、重ねた年齢との釣り合いが取れていない。

思えば、義妹アイコの夫も一回り上のバツイチで、頼り甲斐のあるタイプではない。休日には家族そっちのけで趣味に没頭していた時期もあり、そのせいで大怪我をして二ヶ月入院したのを境に、エイコさんの信頼度は急降下。アイコ夫が義父の見舞いに訪れても、あまり口を利こうとしない。

もう一人の義妹ケイコの交際相手もまた、一回り上のバツイチ。身体が弱く医療費がかかり、その手当ての関係と、彼の戸籍も同じく複雑なため、ケイコと同居しているがあえて未入籍にしている。それだけでもう、エイコさんの信頼を得ることは難しい状況だ。彼は見舞いにはエイコさん不在時を選んで一度来たきりらしい。

オオタ家の(厳密ではないが)子供五人のうち三人の相手が、バツイチで年齢差アリ。ついでに、中身にも難アリ。揃いも揃って、どうしてこう面倒な相手を選ぶのだろうか。と、私は心の内で思うだけだが、エイコさんは声に出して私に愚痴り、お決まりの台詞で締めるのだ。

「男と女のことは分からないから、しょうがないね」

 

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私と旦那、ヨウコ夫婦は、初婚同士で年齢差もないため、義母にはそれだけで合格点らしい。自分だって離婚と再婚の経験者なのに? だからこそ、子供には彼女の言う「普通」を求めたかったのか。

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